まだまだ寒気が抜けきらない季節ですね。
お仕事中でも、この寒さに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
手がかじかんで作業に支障がでたり、体調を崩して欠勤者が出たり、防寒着で着ぶくれて動きづらかったり…と、職場が寒いことによって、作業効率は大幅に低減します。
今回は、そんな職場での寒さ対策について、知っておくべきこと5選をご紹介いたします!
原因の1つめは、天井が高く空間が広いことです。
施設が広いと、それだけ空間を暖めるのに時間がかかるのは言うまでもありません。
更に、暖かい空気は、上へ上へとのぼる性質があります。(熱気球が浮くことができる原理です)
せっかく暖房を入れたとしても、暖まった空気はどんどん上へとのぼっていってしまいます。そのため、天井が高い施設では特に、人が立っている床付近は、なかなか暖まらずに寒く感じる時間が長くなってしまうのです。
出入口の開閉が多かったり、出入口が大きかったりするのも理由のひとつです。
熱は、温度差があると移動しようとする性質があります。出入口の開閉により冷たい空気と混ざる部分が大きくなると、暖められた空気は大量に移動してしまいます。それにより、室内の温度が下がってしまいます。
暖房などで暖めた空気も、壁や窓などが冷たいと、そこから再び冷えていきます。その冷えた空気は、下におりてくるため、足元が特に寒いと感じます。
また、床の材質も冷えの原因となります。例えば、一般住宅に使用されることの多い合板フローリングは、薄い木材をぴっちりと張り合わせて作られているため、空気を含む率が少なく、その結果、断熱効果が薄くなっています。
そして会社に多いコンクリートは、熱伝導率が高いため、せっかく暖めた室内の温度を、冷たい外気へと逃がしていってしまうのです。その結果、暖めた空気の温度を逃がしてしまい、床に近い部分が寒く感じます。
外の冷たい空気を遮断するには、断熱シートは不可欠です。
断熱シートは、設置する場所によって適したものが異なります。例えば、窓に貼るものは、断熱効果もさることながら、自分で大きさをある程度切って調整できたり、開閉に支障がないことも選ぶ条件になるでしょう。
また、屋根に設置するものは、屋根上に設置するもの(断熱シート)のほか、屋根裏に設置するもの(断熱材)などの選択肢もあります。
強く冷える場所には、エアコンのほか、ストーブやヒーターなどの熱を強く発する暖房器具を追加設置することも有効です。
メリットは、強い暖気を発するため、局所的にしっかり暖めることができることです。デメリットとしては、灯油や電気代等の燃料コストが大きい点と、火災などの重大なリスクが高まる点が考えられます。
出入口が大きい、出入口の開閉が多い場合は、厚手のビニールカーテンなどで仕切ることで、暖気の流出入を軽減することができます。メリットは、大掛かりな工事が必要でないことが多く、比較的安価なため、導入しやすい点です。
デメリットとしては、風で簡単に捲れ上がらないような重めの素材でないと意味がないため、開閉の手間が生じる点です。
また、仕切り箇所によっては消防法による規制対象になるため、素材の制限や、火災報知器や消火器の追加設置が必要になる場合があります。
床から冷気を感じる場合は、床に断熱マットを敷くのは手っ取り早い解決方法です。
デメリットとしては、一般住宅ではカーペットという形で敷きやすいですが、工場や事務所などでは、設置面積が大きいこと、そして、大きなデスクや棚、機材などにより設置が大変であることが挙げられます。また、毛足のあるものであれば清掃の手間が増え、汚れた際の洗浄に労力がかかります。
断熱材は、冬の冷気のほか、夏の暑さに対しても効果を生むため、現代の気温環境に対して有効な手段と言えます。天井、壁、床など、四方に対して断熱効果があることで、外気の影響を軽減し、室内のエアコンなどによる空調を効きやすくするというメリットがあります。
デメリットは、施工費用と施工期間です。施工の際はどうしても日数がかかり、その間その施設の稼働は停止せざるを得ません。また、壁や床を剥がして施工する必要があるため、どうしても費用が高くなります。
また、設置後に簡単に外せないことがデメリットになることもあります。断熱効果により結露の発生も低減が見込めますが、工事が適切でなかった場合、逆にそこにカビが発生しやすくなり、健康被害や建物の劣化に及ぶ可能性があります。その際、再工事や撤去にも、大きな費用が発生します。
寒さ・暑さへの体感は個人差が大きいため、衣服で自分に合った室温対策をするのは基本の対策です。会社では、どうしても多人数が同じフロアにいることが多く、全員が快適と感じる室温にすることは難しいでしょう。保温性の高いインナーや、上着で微調整しましょう。
特に冷えやすいのは、末端である手足です。特に手は、指先など露出することが多く、作業時には冷えることも多くなります。また、いくら靴下を履いても足が暖まらない…という冷え症の方の話もよく耳にします。体質が原因の場合もありますが、同じ姿勢(座りっぱなしなど)により血流が滞ると悪化するとも言われます。事務職の方は、定期的に立ち上がって歩いたりストレッチしたりして、血流改善に努めることも対策のひとつです。
職場環境として寒冷な場合は、会社として防寒グッズを支給するのがよいでしょう。冷蔵庫内作業や、外に近い倉庫などは、基本の防寒装備が整っていない状態では体調不良の原因となり、職場の安全衛生の観点からも適切ではありません。
しかし、着込むことに頼ってしまうと、今度は動きづらくなり、作業ミスや、とっさの事故時に対応できず重大なケガの原因となってしまう可能性があります。
施設の新設・改修時には、断熱材と断熱シートの導入をご検討ください。冬の寒さ対策もさることながら、夏の暑さに対しても有効です。
近年の極端な気温の変動は、設備の温度によって人命に係わる場合もありますが、既存の設備に後から断熱材を追加しようとすると、コストと工期がかかるため、導入しづらくなってしまいます。
床の断熱は、床にマットを敷くような簡易的なものから、床下に断熱施工をするなどの工事を行うものまで様々です。マットを敷くものは比較的簡易的に導入可能ですが、断熱効果としては大きくありません。
床下を工事するものに、床断熱工法/基礎断熱工法などがありますが、それぞれ、気密性が低く隙間風に弱い/浸水時に排水できずカビが発生する などのデメリットがあります。また言わずもがな、床を剥がすために工賃が大きくかかります。
断熱設備の導入後は、定期的にメンテナンスする必要があります。断熱材で懸念されるのは、シロアリやカビなどの発生です。素材や施工方法により、メンテナンスの頻度にも差が出ます。例えば、断熱材で比較すると、グラスウールは比較的安価ですが、経年劣化しやすく、断熱効果が薄れやすいと言われます。石などが原料のものは、経年劣化や火災に強いと言われますが、そのぶん高価です。
寒すぎる・暑すぎる職場は、従業員の体調不良の大きな要因のひとつです。風邪や熱中症などは言わずもがな、動きが鈍ることによってケガを負ったりする可能性も高まります。事故発生時にとっさの対応が遅れてしまえば、重大なケガや損害の発生につながります。
職場環境の安全衛生状態が適切であることは、従業員のモチベーション(意欲)を保つ上で欠かせない要素です。業務により、どうしても暑い・寒い職場環境はあり得ることですが、改善できうるはずの要素が改善されないということは、モチベーションの低下を招きます。モチベ―ションの低下は、作業効率や生産性の低下につながるだけではなく、離職率の上昇を招きかねません。
人材確保が大きな課題となっている昨今では、新たな採用と並び、現在の従業員に長く勤めてもらうことは重要なポイントです。
燃料価格の高騰に加え、人件費の高騰は歯止めがかかりません。追い打ちをかけるように、気候変動の勢いは例年激化する一方です。冬の寒さに加え、夏の暑さやゲリラ豪雨、豪雪など、「暑い」と「寒い」の両方の気候に対応を求められています。
それゆえに、エネルギーコストを削減するために空調を弱くすると、今度は従業員の体調不良や商品の劣化など、もっと大きな問題とコスト発生につながりかねません。
そういった場合、エアコンなどの空調を強くかける、という方法のほかに、いかにその空調を、少ないエネルギーで効果高くかけることができるのかというのがエネルギーコスト削減のカギとなるでしょう。
これらのように、工場の寒さ対策にはさまざまな原因とその対策があります。
適した対策をとり、従業員の安全とモチベーションを保って、作業効率をアップしましょう!
冷えルーフは、工場の折板屋根に設置することで、遮熱・断熱効果を発揮します。冬、暖房で暖めた空気を外に逃がしにくくなり、結露の発生を抑制します。
寒い工場には、冷えルーフの設置をご検討ください。